そもそも腹痛ってなに?
腹痛は誰しもが経験したことのある症状かと思いますが、腹痛は大学病院などの総合病院へ救急搬送される症状としては「胸痛」と並んで多い症状でもあります。
腹痛が発症する原因は非常に多くあり、その腹痛症状がどういった原因で発症しているのかを特定するのが難しいです。腹痛はありふれた、誰しもが経験したことのある症状ですが、実は診断が難しい症状でもあります。
腹痛の種類について
腹痛といっても、緊急性の高い腹痛とそうでない腹痛の2種類に分類することができます。それぞれで発症する原因が異なります。
緊急性の低い腹痛 | 便秘、胃腸炎、食道炎、メンタル系の疾患など |
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緊急性の高い腹痛 | 胃潰瘍や胃がん、大腸がんなどのように出血が生じる病変 腸に閉塞が生じるイレウスなど 虚血性の病変(血栓症や塞栓症など) |
緊急性の高い腹痛の場合では、外科的手術やカテーテル治療などの治療を受けていただく必要がある重篤な病気が多く、ほとんどの場合は何かしらの自覚症状を感じることが多いです。少しでも「おかしいな」「いつもの腹痛と違うな」と違和感を感じることがありましたら、早急に内視鏡検査を行っているクリニックに相談してください。内視鏡検査で原因となっている病気の特定と適切な治療を受けてください。
緊急性の高い腹痛について?
腹痛が自然と、時間の経過とともに軽快せずに継続して痛みを感じる場合は緊急性が高い腹痛です。また、今までに経験したことがないくらい痛みの程度がきつい場合も緊急性の高い腹痛に該当します。下記のような症状を伴う場合は、迷わず総合病院の救急外来に相談するようにしてください。
- 歩けないくらいお腹が痛い
- 歩くとお腹に痛みがひびく
- 背中を丸めていないと痛くて辛い
お腹には腹膜という膜が存在していますが、腹膜に炎症が生じている可能性が高いです。緊急入院になる可能性もあります。上記のような腹痛の場合は、お近くの総合病院の救急外来を受診してください。
腹痛の原因が分からないことってあるの?
腹痛が生じている原因としては多岐にわたります。そのため、腹痛が発症している明確な原因が精密な検査を受けていただかないと分からないこともあります。また、検査を受けていただいても特に消化管には異常が見られず、何が原因で腹痛が発症しているか分からないときもあります。
精密な検査を受けていただいても腹痛の発症している原因が分からない場合は、精神的ストレスから生じる過敏性腸症候群などの可能性が高いです。過敏性腸症候群は学校や会社での人間関係で悩むことがあったり、人前で発表するようなプレッシャーを感じる際に、便秘や下痢、腹痛が発症する病気です。
腹痛の場合は採血検査やエコー検査、内視鏡検査、レントゲン撮影など様々な検査を行いますが、検査をしても特に異常がみられない際は過敏性腸症候群の治療を受けていただくこともあります。
女性によくある腹痛について
女性の方で腹痛が発症する際に考えられる原因としては年齢で異なります。
閉経前の方では子宮や卵巣の病気が原因で腹痛を発症することがあります。そのため、閉経前の方で腹痛症状がみられる場合は婦人科と消化器内科の両方を受診していただくこともあります。閉経後の方で腹痛が生じている場合は消化器内科関連の病気が発症に関わっていることが多いです。
最後に
腹痛を直ぐに治す方法はありません。何かしらの原因があって発症しています。些細なことでも構いませんので、腹痛を感じるときはお気軽にご相談してください。当院では消化器内視鏡専門医の資格を持つ院長が、消化器専門外来で腹痛の診察や各種検査(内視鏡検査やCTなど)を実施しています。平日忙しい方でも来院できるように、土曜日も診療を行っています。
監修:うちだ内視鏡・内科クリニック 院長 内田耕栄