肺炎について

以下の項目に該当される方はご相談ください!

  • 慢性的に咳や痰がでる
  • 息を吸い込むと胸が痛くなる
  • 咳に加えて発熱も出ている

上記のような項目に該当される方は肺炎の可能性もあります。一般的な風邪症状と似ていますが治療せずに放置していると余計に長引き、生活の質(QOL)低下にも繋がりますので、お早めにご相談して頂ければと思います。

肺炎とは

肺は人間が生きていく上で大切となる呼吸に大きく関わっています。空気の通り道である気管支や、酸素と二酸化炭素のガス交換を行なっている肺胞内に、細菌やウイルスなどが感染して炎症が生じたものを肺炎と言います。肺炎は炎症が起きている場所によって、咳や痰がよくでる気管支肺炎と、高熱や胸痛を伴う大葉性肺炎(たいようせいはいえん)に分類されます。

気管支肺炎は名前の通りで気管支の炎症が原因となり、初期症状は咳・痰で、高熱を招くこともあります。一方、大葉性肺炎は突然に高熱がでるため、特に高齢者では意識障害やなどを引き起こすこともあります。

気管支肺炎を引き起こす代表格としては皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれませんが、マイコプラズマがあげられます。大葉性肺炎を引き起こしやすい病原体としては肺炎球菌となります。

肺炎の原因

肺炎が起きる原因の多くは細菌感染が原因となります。原因となる細菌は様々ありますが、その中でも一番多くみられるのが「肺炎球菌」です。肺炎球菌以外ではマイコプラズマ、ストレプトコッカス、黄色ブドウ球菌などの細菌があげられます。また、細菌以外でもウイルス(インフルエンザなど)や、クラミジアなどの微生物でも肺炎が生じます。

こうした細菌やウイルス類が口や鼻から体内に侵入し、喉・気管支を通って肺胞まで到達することで肺炎は生じます。特に体力が低下していたり、免疫力が落ちている時に細菌感染しやすくなります。また、糖尿病などの慢性疾患も免疫力低下に繋がりますので注意が必要です。

また、高齢者によくみられるのが誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)と呼ばれるものです。誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物を飲み込む力が衰えてしまい、その結果、飲食物や唾液が食道ではなく気管支に入り込むことで肺炎が生じてしまいます。

肺炎時の行われる検査

肺炎では、咳、痰、発熱、呼吸困難、胸痛、動悸などの症状がみられます。特に38°C以上の発熱と、1分間に24回以上の呼吸(頻呼吸)、1分間に100回以上の心拍数(頻脈)がみられる際は肺炎の可能性が疑われます。

風邪でも同じような症状は見られますが肺炎との見分け方としては、症状が1週間以上慢性的に続く、息苦しい、吸気時に胸痛を感じる場合は肺炎を疑って一度検査を受けて頂くことを推奨します

また高齢者では、上記のような典型的な症状が出ないこともあります。ご自身やご家族が普段と違うなと感じたら、お早めに医療機関へご受診してください。肺炎の診断では胸部X線検査(レントゲン検査)やCT検査で画像を撮影して状態を確認していきます。当院では最新のCT機器を揃えております。些細な症状でも構いませんのでお気軽にご相談ください。

肺炎の予防

肺炎予防の第一歩は、感染予防となります。まずは、外から帰ってきた際のうがい・手洗いと外出時はマスクの着用を徹底してください。また、口の中を清潔に保つことも肺炎予防に繋がりますので、歯磨きも重要となります。

高齢者の方の肺炎予防としては「成人用肺炎球菌ワクチン」と「インフルエンザワクチン」の接種となります。また、規則正しくバランスの良い食事を食べること、十分な睡眠をとること、適度な運動をすることは免疫力を高めることに繋がり、結果として肺炎予防となりますので推奨されています。

監修:うちだ内視鏡・内科クリニック 院長 内田耕栄